バランス

慣性モーメントとバランス

ドライバーが振り回しにくいのは、長いからだ。物理学では、物の振り回し難さを慣性モーメントと呼んでいる。簡単にすると、質量と支点からの距離の２乗に比例する値だ。重さより、長さが効く訳である。同じ重さの棒なら、短い方が振りやすく、同じ長さの棒なら軽い方が振りやすい。

一方、ゴルフクラブは、バランスと呼ばれる指標があり、C0~9,D0~9などの数字で表される。こちらは、重さ x 距離の数値だ。（ミズノのホームページ内、バランスの解説）

長くなると段々と振りにくくなるので、長いクラブほど、バランスはDからCへ値の小さい物で揃える方が良いとされている。同じバランスに揃えると、長くなった分、慣性モーメントは、大きくなるので理にかなっている。では、なぜ、慣性モーメントを使わなかったのか？計算してみるとわかる。慣性モーメントでは、違いがわかりにくいからだろう。

慣性モーメントとバランスの試算

調子の悪いドライバー２種と普通に打てる#5アイアンを比べて見た。

上記の慣性モーメントは、重心位置に全重量が集中したとする簡易的な値だ。重心はバランスの計算式から、逆算している。

慣性モーメントの違いは微妙である。バランスを見た方がイメージしやすい。バランスは２から4と、２倍に感じるのに、慣性モーメントは5%ほどの違いだ。逆にXXIOとは、バランスが３も違うのに、慣性モーメントは1%ぐらいしか違わない。XXIOは、最初は打てるのに、しばらくすると、打てなくなるのは、これなのだろうか？

とにかく、慣性モーメントを計算するまでもなく、Diabloでアイアンと同じ様に振れないのは、一目瞭然だ。

実は、このキャロウェイのドライバーは、旅行先で、それまで使っていたドライバーを折ってしまい急遽購入したモノだ。半値ぐらいの大幅値引きだった為もあり、よく考えずに購入してしまった。しかし、旅行先では、良い当たりを連発。その後も、五十肩をやるまでは、全く問題がなかった。その前に、１年ぐらいの間に、Big BerthaとNikeのドライバーを折っている。当時は、相当に力が有り余っていたのだろうか？

買いたいドライバーの慣性モーメント

さて、では、買うならどのドライバーが良いのか、捕らぬ狸の皮算用してみる。

バランス順、重量順で並べてみた。どれも、今のドライバーより、バランスは小さく、慣性モーメントも小さい。しかし、#5アイアンの慣性モーメントより小さいのは、オノフのR2シャフト以外ない。

感覚と慣性モーメント

表を見ると、#5アイアンと同じD2バランスのG400でも、慣性モーメントが今のドライバーと１％も変わらない。M2を試打してみたことがあるのだが、全く打てなかった経験から、バランスを２つ落としても、この数値なら、あまり振れないだろう。PRGR Egg は軽いがXXIO 6 並に慣性モーメントが大きい。

面白いのは、バランスが長さに比例するのに、慣性モーメントはその２乗に比例するので、同じバランスなら、総重量が重い方が、慣性モーメントが小さくなる。バランスが同じクラブなら、総重量が重い方が軽く振りまわせる感じになるはずだ。

M2が振れなかったことを考えれば、選択肢は、それより慣性モーメントの小さい、ヤマハ Impresしかない。オノフのフレックスR2は#5アイアンより慣性モーメントが小さいので、やりすぎと言うことになる。

どこかに試打クラブないものだろうか？あるいは、グリップを重くして、バランスを変える？