GPS式の不満
筆者は、GPSの距離計を使用しているが、難点は、正確な測定には数十秒はかけた方が良い事と、グリーン正面を大きく外した場所などでは、測定の基点が通常グリーンの手前にある測定基点なので、正確に距離が解らないことだ。100ヤード以内アプローチでは、10ヤードの距離を誤って打ってば、大怪我になる。正確な距離が知りたいが、ピン位置、測定基点とボールの位置の三角形で考えないといけない。目測の感覚をもっと磨けということになるが、目測でいけるなら距離計は使わない。
簡単のため、3:4:5の直角三角形になる場合を考える。ピン位置がエッジから15 (3×5)ヤード、グリーン手前の測定基点(エッジ)から真横に20 (4×5)ヤードにボールがあるとする。GPS測定器に表示される距離は 20ヤードだ。この時、ピンまでの距離を エッジから旗まで 15ヤードを足して 35 ヤードとしてしまうが、実際は、直角三角形の斜辺、25 (5×5)ヤードだ。10ヤードも多くなってしまう。
次のルール改正で、距離計の使用が競技でも許可されることもあり、目測の鍛錬にも、どこからでも正確に測れるレーザー距離計が欲しくなってきた。そこで、いくつかを比較して見た。
良いレーザー距離計とは
いくつものサイトを覗いてみると、良い距離計の条件は以下となる。
- 手振れ防止機能がある
- 拡大率が大きい(測定距離が長い)
高低差測定については、ルールで認められていないこともあり、賛否両論ある。上記に当てはまるのは、ニコンのCOOLSHOT PROやブシュネルなど、価格が高め(4万円以上)のモデルになる。
1万円前後レーザー距離計比較表
確かに、上記の機種は、いいかも知れないが、5万円出せば、新しいアイアンセットが買える。初めて買うモノにしては、ハードルが高い。そこで、1万円程度の価格帯に絞って調べてみた。いずれも手ブレ防止機能はない。
ブランド | モデル | 倍率
測定距離 |
高低差補正
ピン検知 |
電池 | 2/3眼方式
重量 |
価格 |
ニコン | COOLSHOT 20 | 6x
550 yd |
無し
連続測定 |
CR2 | 3眼
125g |
13,843 |
suaoki | Golf PRO Laser Rangefinder | 6x
656 yd |
有り
有り |
CR2 | 3眼
152g |
9,980 |
Pinty | レンジファインダー | 6x
650 yd |
なし
有り |
CR2 | 3眼
不明 |
9,900 |
DEKO | レンジファインダー | 656 yd | なし
有り |
単4x2 | 2眼
172g |
9,980 |
LERVING | ゴルフ距離計 T10-DT08005-B-1 | 6x
656 yd |
なし(測定可能)
なし |
単4x2 | 2眼
172g |
11,999 |
LERVING | ゴルフ距離計 T10-DT08004-W-1 | 6x
656 yd |
なし
連続測定 |
CR2 | 2眼
190g |
9,999 |
suaokiとPintyは外見が同じである。光学系は同じだが、ソフトウェアが違うようだ。Pintyはアメリカでライフルの照準器などのブランドとして知られているが、明らかに、中国のsuaokiでOEMさせているようだ。suaokiの方が、より、ゴルフ用ということのようだ。
DEKOとLERVINGの8005は外見同じだ。単4電池が使えるのが、ウリのようだ。LERVINGは高低の測定はできるが、補正はしてくれない。また、ピン検知や連続測定ができない。
LERVINGの8004は連続測定でピン(旗)を測定できそうだ。CR2電池を使用するのに一番重い。
2眼式と3眼式
2眼と3眼を分けたのは、精度の差があるかと思ったのである。レーザーの反射光を測定しているので、発射側と受光側でレンズは2つは必要だ。人間が覗き照準を定める単眼鏡を別に持っているのが3眼式だ。3眼の方が、像を明るくできる可能性があるが、特に、差はなさそうである。
高低差補正
高低差は競技ルールで測定してはいけないので、なくても良い機能だが、普段のラウンドでは、あった方が便利だ。ちなみに、罰則があるわけではない。紳士のスポーツなので、破るか破らないかは、本人任せだ。通報しても、意味はない。不正使用する人は、その時点で、ゴルフをやっていないだけだ。そんな人とは、日常でも関わりたくないとわかる程度である。
ピン検知機能
ピン検知は、重要そうである。旗の背景に木があったりすると、それを測定してしまうので、ピンを検知する機能か連続測定で、手前にあるピンを見つける機能が無いと厄介そうだ。何れにしても、林の中からの測定は、あちこちの木を測ってしまい、大変そうだ。
測定範囲
他社がみな、測定距離656 yd(600m)としているのに、ニコンだけは550 ydと控えめだ。
重量
ニコンは、他に比べ2割以上軽いが、どのモデルも200g以下なので、このレベルだと重さは決め手になりそうにない。軽い分、手ブレの影響は大きくなりそうだが、これも、甲乙つかないだろう。
決め手はソフト
ニコンを除いて、価格もほぼ同じ、光学系もほとんど同じなので、ゴルフ用にソフトが充実しているかが、決め手となりそうだ。
最近、レーザー距離計を持っている人と、一緒に回ったが、課題は、携行のようだ。一人はポケットで、もう一人は、ベルトで背中に専用ケースをつけている。光学機器であることを考えると、ポケットは危なそうである。毎回、ケースに入れて、しまうのも結構面倒そうだ。サングラスでさえ、落としてしまう私には、妙案が必要だ。