ゴルフでの腕、胸、腰の動きを計測しているデータがないかとネットを探しているとこんなタイトルの記事が見つかった。
Faster Hips do NOT Create Club Head Speed
訳すと「速い腰の動きはヘッドスピードに寄与しない」だ。
そんな馬鹿な!私も度々「中心軸を速く回せば、一番外側のクラブヘッドは速く回るはず。」と力説していた。
記事によると、物理的モデルなら、そうなるが、人間が行うゴルフスイングでは、腰の動きはヘッドスピードにはあまり関連がないというのだ。
記事には、数例の腰のスピードとヘッドスピードを列挙した表があり、それを見ると、確かに何ら関連性はないとわかる。アマチュアも結構速いが、よく飛ばす人の方が遅かったりする。
さらに、この記事の筆者は、両膝を地面につけた状態でスイングする動画も載せている。膝をついた状態では、腰を速く動かせないにも関わらず、ヘッドスピードはそれほど落ちない。
筆者は、「腰のスピードが落ちると、右に飛ぶ」と言っている。腰の速度は、ボールの飛球方向に関連しているとしている。
彼の結論は、ダウンスイングで、腰、胸、腕の順番に動いているかが重要で、腰の速度はヘッドスピードに寄与しないというものだ。
上記記事内にも本来探していたグラフがあるが、トップからしかデータがない。一方、論文” The control of upper body segment speed and velocity during the golf swing ”中のグラフは、トップより前の数値も出ている。この論文では、腕の代わりに頭のデータを測定している。
グラフを見てみると、バックスイングの終盤で、腰が最初に逆に回転を始め、続いて胸が動いている。
しかも、腰が逆回転を始めるのは、胸がまだバックスイングしている時だ。
よく、「トップを迎える前に、下半身はダウンスイングを始めている」などと言われているが、本当の様だ。
いずれにしても、体を柔らかく使って、ブランコを漕ぐ様に、クラブを徐々に加速してやらないと、ゴルフクラブは速く振れない。力めば力むほど、ブレーキがかかるのだ。
力を抜いた方が良いという理論を数学的モデルを使って研究している人もいた。「Golf Swing Physics 3. Technique」では、二重振子に簡略して、ゴルフスイングを解析している。
ヘッドスピードを上げる結論として、以下を挙げている。
- トップでのコックは大きい方が良い
- 手首の力は小さいほど効果的
両方とも、手首の力は抜いた方が良いことを物語っている。
次回のラウンドに役に立つやら。