パットの物理

以前、パット練習アプリを作ってみようと、ボールの挙動について、計算できないか調べてみた。

データ

まずは、ボールの大きさ、カップの大きさ、速さの定義がある。

ボールの大きさ 42.67mm以上  – 大きいと空気抵抗が増え、飛ばないし、カップに入りにくくなるので、事実上これ以上大きなボールはない。
ボールの重量 45.93g以下 – 同じスピードで打ち出されると、軽いボールは、小さなエネルギーしかもらえず、空気抵抗に負けて、落ちてしまいます。練習用の5gほどのウレタンボールはフルショットしても、10mも飛ばせません。
カップの大きさ 直径108mm
グリーンの速さ スティンプメーターという道具で測定する

スティンメーターはかなり簡単な道具だ。V字の溝のレールに1箇所切り欠きがついている。そこにボールを置いて、段々にレールの傾斜をきつくすると、自然にボールが転がり始める。ボールはそのまま、グリーン上を転がり、止まる。レールの端から、ボールが止まったところが、そのグリーンの速さと呼ばれる。速度の単位が距離というのは、実践的だ。

穴の位置(端から76cm)や、V字の形状などは、決まっている。ボールの大きさや、重さも決まっていて、結局、20度傾け時、ボールが転がり始めるようになっている。三角関数で計算すると、高さ26cmから76cmの傾斜を転がして、ボールが転がった距離を計測することがわかります。

計算

高校で物理をやった人なら、位置エネルギーの計算で、ボールの初速が計算できるなどと思うかもしれませんが、それは、受験用の答えです。実際は、ボールには、大きさがあり、回転しています。回転するためのエネルギーを消費して、もっと遅くなります。計算してみたい人は、これを参考に。http://www.ritsumei.ac.jp/~kht23151/bk1/report04.pdf

ただし、スティンプメーターは溝があるので、ボールの半径よりほんの少し小さい径で回転します。また、実際のボールは中身が一様でなく、慣性モーメントを調整していると思われるものもあります。

まあ、とにかく計算は大変で、結局、摩擦係数がわからないとどうにもなりません。これは、実験データを取るしかありません。調べてみると、同じようなことを考える人はいるもので、書斎のゴルフに「パッティング&スイングを物理学的に検証!」と記事があります。

まとめ

上記の記事の要約も兼ねて、まとめると以下のようになります。

  • 実験などで、データを取れば、理想化した条件で、計算はできる。
  • 実際のグリーンは芝目、傾斜が一様でない。
  • 歩測などで距離を調べたところで、単純な比例計算で、パッティングの強弱は決められない。

スティンプメーターでの速度表示は、全グリーンの全場所で保証しているものでもありません。

青木がパッティングはフィーリングと言っていたのを思い出します。最初は、天才がいうことと思っていたのですが、今は、単純な計算では、パッティングの方向と強弱は決められないので、感覚を鍛えるしかないという意味だと理解しています。

それでも、グリーン上で、最初に打つより、最後に打った方が、情報が多く入り有利になります。(間違った情報を刷り込まれる時もありますが。)やはり、旗の近くに乗せるのは重要なことです。

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